店頭に立ってアロマの販売をしているとお客様からこのような質問をよくされます。
「アルツハイマーに有効なアロマはどれですか?」
アルツハイマー型認知症とは、物忘れから始まり、進行していくにつれて新しいことが記憶できない、思い出せない、時間や場所がわからなくなったりと、今まで日常生活でできたことが少しずつできなくなっていきます。
どんな種類のアロマがアルツハイマーに有効なのか、症例報告を元に紹介していきます。
アルツハイマーに有効な精油(アロマ)の種類
- レモン…不安や混乱を取り除き、精神的な行き詰まりを解消する
- ローズマリー…集中力や記憶力を高めると言われており、精神を高揚させる
- ラベンダー…感情全体のバランスを取ってくれて、穏やかな気分にする。
- オレンジ・スイート…心身ともにリラックスさせ、楽観性を与えてくれ、うつ症状に有効。
これらのアロマが有効だと言われています。
今回の症例報告でご紹介するアロマはレモンとローズマリーです。
アルツハイマー型認知症(第3期)に対するアロマ芳香浴の効果
日本アロマセラピー学会 症例報告書 p88 引用
医療法人春田クリニック 春田博之
目的
高齢者社会の日本において、認知症の症状改善は重大な課題の一つである。今回、donepezil(アリセプト)による治療が奏効せず、進行したアルツハイマー型認知症(第3期:身動き一つせず、言葉も発さない症態)の症例に対し、鳥取大学医学部、神保大樹、浦上克也教授らの研究により、その効果が認められている、ローズマリーとレモン(2:1)ののブレンド精油による芳香療法を家族の同意をえて行い、その治療効果の確認を目的とした。
症例
78歳女性、平成17年夏頃より、物忘れが目立つようになり、冬には徘徊出現、平成18年1月より、当院で認知症城についてdonepezil(アリセプト)による治療を開始、一時改善したがその後、徐々に悪化、平成21年に入り、効果が全くなくなっている。
既住歴
高血圧、高脂血症、脳梗塞(左側麻痺)
材料と方法
ローズマリーとレモン(2:1)のブレンド精油を毎朝起床時(9時ごろ)、家族に折りたたんだティッシュペーパーに2滴、滴下し患者の胸元にクリップで装着してもらい、夕方5時まで過ごしてもらうようにした。
結果
アルツハイマー型認知症が進行し、一年前より、身動きも取れない、言葉も発さない、寝返りもうたない状態にあった患者が、芳香療法を開始して1週間で寝返りをうつようになった。約1ヶ月後には笑うようになり、仲の良い親類の話をすると笑顔で言葉を発するようになった。
考察
今回の芳香療法により認知症状が改善した。芳香は精油分子が嗅上皮に作用すると嗅神経、嗅球から直接大脳辺縁系へ、そして大脳皮質嗅覚野へその信号が伝達されている。この芳香刺激のシステムの特性が今回の認知症状の改善に寄与したのではないかと思われる。
アロマで認知予防
アロマトリートメント(マッサージ)も効果的と思いますが、まずは手軽に始められる芳香浴から!
①精油を選ぶ
上記で紹介したアロマとプラスで、患者の方がお好きな香りをブレンドしても良いです。2種類のブレンドがおすすめです。
②ディフューザーや加湿器にアロマを垂らす
アロマが焚けるディフューザーや加湿器に水量にもよりますが2~5滴で十分香りが広がります。ディフューザーがない方はマグカップにお湯を入れて、その中にアロマを垂らすだけで簡易ディフューザーになりますのでお試しください。
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