寝たくても眠れない、眠りを維持できない、十分眠った感じがしない…など経験した方も多いのではないでしょうか?日本においては約5人に1人という割合で不眠症状に悩んでいるとされています。
今回は群馬県医学部付属病院にて行われ、発表された症例報告を元に不眠に悩む方々へ、アロマを使った改善策をご紹介していきます。
不眠に有効と言われているアロマ
- ラベンダー
- オレンジ・スイート
- グレープフルーツ
- ベルガモット
- ゆず
- マージョラム
- カモミール類
これらのアロマには「鎮静作用」や「催眠作用」があり、興奮した神経を鎮めてくれる作用があります。
今回の症例報告で紹介するアロマはラベンダーとグレープフルーツです。
不眠と不穏のあるターミナル後期患者に対するマッサージ効果
日本アロマセラピー学会 症例報告書 p52 引用
目的
緩和ケアにおいてもアロマセラピーの有効性が期待されている。身体的な苦痛や精神面での報告はいくつかあるが、まだ十分とは言えない。そこで今回ターミナル後期にあり、死への不安から不眠と不穏を来たした症例に対する、精油を用いたマッサージ効果を検討した。
研究方法
対象:54歳男性、肺がん、頭蓋底・右視神経・右頸部・気管前リンパ節・両側副腎転移。介入1週間ほど前から、薬剤を使用した夜間でも10~30分の傾眠のみであった。また、車椅子での散歩を頻繁に希望したり、大声を出す、物を叩くなど、落ち着きがない状態であった。
介入期間:11月7日~11月13日
介入方法:マッサージオイル・スイートアーモンドオイルにラベンダーとグレープフルーツを各1%ずつ入れたもの。
マッサージ部位:手、足、下肢、背中、腰、肩など自覚症状がある部位。
結果
睡眠を促すことが精神状況の改善につながる考え、夜間の入眠を促すためのマッサージを積極的に行った。その結果、2~4時間の継続した睡眠がとれ、中途覚醒はあるものの、夜間のみで計7~8時間の睡眠が取れるようになった。「マッサージしてもらうと眠れるんだよ」「眠れて少し気分が良い」との言葉が聞かれ、朝には穏やかな表情が見られることもあった。また大声を出すことが少なくなるなど、精神的にも落ち着いてきている状況が伺えた。
なぜここまで効果が出たのか
①精油そのものの効果
上記で述べたようにグレープフルーツやラベンダーには「抗うつ作用」「催眠作用」があり、それらの効能が作用したと考えられます。また今回の研究方法ではトリートメント法を使い、経皮吸収だったため芳香浴法より効果が大きく出たと私は推測します。
②マッサージの効果
人は「触れられること」、「そばに誰かがいてくれること」に安心感を抱きます。死への不安が大きかった患者に対して、看護師がそばにいてマッサージしてくれたことが、精神安定に繋がったのではないかと推測します。またマッサージを行うと血流が促され体が温かくなり、より睡眠の質をあげたのではないかと考えます。
今日から試そう!アロマで不眠改善
①精油(アロマ)を選ぶ
不眠にはラベンダーがおすすめです。ラベンダーだけでも効果が期待できます。ブレンドがお好きな方は柑橘系がおすすめです。
②寝る前に足のマッサージ
キャリアオイル50ml(ホホバやスイートアーモンド)に対して精油を10滴入れます。そのマッサージオイルで足ツボや脚全体をマッサージした後、くるぶし辺りをくるくると刺激してください。
くるぶし辺りには大きな血管が通っていてここを刺激すると血流が促され、体が温まると言われています。
マッサージが難しければ…
寝室にてディフーザーや加湿器などでアロマを焚くのみでも構いません。
ぜひ不眠症でお困りの方は今日から試されてはいかがでしょうか?
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